「何なの、あのドSデザイナー!」
学央館書房の新人編集者・甲府可能子は憤っていた。
編集長から紹介を受けた装丁デザイナー、烏口曲に企画していた詩集の装丁を即刻で「やらない」と断られたからだ。
曰く、可能子の装丁に対する考えの甘さが原因らしいが……実はこの烏口、理路整然に上から目線で仕事を選ぶ、業界内でも有名なドS&偏屈男だった!
果たして可能子は無事装丁の依頼を引き受けてもらい、本を刊行できるのか?
装丁の奥深い世界、そして今を働くすべての人に勇気をお届けする、お仕事エンターテインメント!
※本作品は、LINE文庫エッジより二〇十九年十月に刊行された『すべては装丁内』を底本として、若干の加筆・修正を行っています。